私たちがしていること
獣害対策のうち、これまで人手に頼るしかなかった「追い払い」を、機械にやらせる。
合同会社 冪(べき)は、2026年6月に京都市で設立した会社です。イノシシ・シカ・サルなどによる 農作物被害を防ぐための「追い払い」を自動化する仕組みを開発しています。
獣害対策には「柵で塞ぐ」「捕獲して減らす」という手段がありますが、いずれも慣れと担い手不足という壁があります。 当社が取り組んでいるのは、その手前にある「近づくと嫌なことが起きる場所だと、獣に覚えてもらう」という役割です。 これは本来、人が夜通し見張って追い払うことで成り立っていた仕事で、いま最も担い手が足りていない部分でもあります。
仕組みはすべて、市販品と公開されている技術の組み合わせで作っています。新しい発明を必要とせず、 壊れた部品を市販品で置き換えられることを、設計上の条件にしています。
2026年7月現在、シミュレータ上での動作検証を終えた段階です。2026年9月から圃場での計測、 10月から実地運用の実証に入ります(詳しくは現在の状況をご覧ください)。
仕組み
「気づく」「出動する」「記録が残る」の3つが、人の手を介さずにつながります。
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1. 気づく
圃場の周囲に張った線(トリガーワイヤー)と、地上に置いたセンサーが侵入を検知します。 線は押されても切れても分かるので、気づかないうちに無効化されることがありません。
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2. 出動する
地上に置いた司令塔(小型のコンピューター)が状況を判断し、待機中のドローンへ座標を送ります。 ドローンは自動で現場へ向かい、人の声・犬の声で追い払い、終われば自ら帰還します。 電波が届かない場所でも、判断は現地で完結します。
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3. 記録が残る
「いつ・どこから・何が侵入したか」が自動で記録されます。 対策の効果を数字で確かめられるようになり、翌年の備えや、地域での対策の共有にも使えます。
3つの特徴
「小さい機体を使う」という選択が、手続き・価格・効き目のすべてに効いています。
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100g未満 機体登録が要らない大きさ
100g未満の機体は航空法の「無人航空機」に当たらず、機体登録の対象外です。 手のひらに載る大きさなので、万一落ちたときの危険も小さくなります。
※ 機体登録の対象外であっても、他の法令(鳥獣保護管理法・電波法など)の順守は必要です。編成は3機種・計4機(追い払い2機+夜間の確認機1機+日中の確認機1機)です。 -
約71万円 業務用ドローンを1機も使わない
農薬散布などに使われる業務用ドローンは、機体1台で145〜206万円します。 当社は業務用ドローンを1機も使わず、1エリアあたりの機材原価を約71万円に収めています。
※ 周界600mを想定した2haの圃場が、いちばん小さい構成です。機材原価は当社の部品表(BOM)からの積算値で、発注と実測は2026年8〜9月に行います。 -
慣れさせない 「音=無害」と学習させない設計
置きっぱなしの音や光は、数週間で慣れられてしまいます。当社は追い払う側が動くこと、 進入方向・高度・音源を毎回変えることで、獣に「この音は無害だ」と学習させないことを設計の中心に置いています。
※ 慣れが早く効果が乏しいストロボ光は採用していません。機体の灯りは安全確認用の位置灯のみです。
現在の状況(2026年7月時点)
どこまで終わっていて、どこからがこれからなのかを、そのまま書いています。
当社はまだ実証前です。導入実績はありません。
実機のドローンはまだ1機も飛ばしておらず、実際の圃場での運用実績もありません。 現在は、実機と同じ制御ソフトを使うシミュレータ上での動作検証を終えた段階です。 圃場での計測は2026年9月から、ドローンを含む実地運用の実証は2026年10月から始めます。
開発を終えているもの
- 済 シミュレータ(実機と同じ制御ソフトを使う ArduPilot SITL)上で、「通報された座標へ自律飛行 → 旋回して周囲を走査 → 熱源を検知 → 地上の座標を推定 → 帰還」までを全自動で完走。
- 済 追い払いの飛行制御と、地上の司令塔ソフト(通報の受信 → 機体の割り当て → 座標の配信 → 完了の判定)を実装。
- 済 夜間のサーマル(熱)検出と、日中のカメラ映像からの動き検出のプログラムを開発(人工的に作った映像データを用いた段階)。
- 済 機体の乗っ取り対策を含むセキュリティ設計。守りきれない範囲も文書に明示しています。
これからのもの
- 未 実機はまだ1機も飛ばしていません。機体の組み立てと重量の実測は、2026年8月に行います。
- 未 実際のカメラで撮影した映像は、まだ1コマも使っていません。
- 未 圃場での運用実績、および導入いただいたお客様はまだありません。
- 未 実証にご協力いただける圃場を探しています(2026年8月末までに確定させたいと考えています)。
これからの予定
- 2026年8月 機体の組み立てと重量の実測。実証にご協力いただける圃場の確定。地上センサーの設置。
- 2026年9月 対策なしの状態での侵入回数を計測します。ドローンはまだ飛ばしません。 後で「効いたのか、季節が変わっただけなのか」を区別できるようにするための、比較の基準づくりです。
- 2026年10月〜12月 ドローンを含む実地運用の実証。同じ圃場で、侵入回数・追い払いにかかった時間・再び侵入するまでの間隔を記録します。
- 2027年1月〜3月 実証データの解析。仕様と価格の確定。
仮 料金について:いちばん小さい構成(周界600m・2ha相当)で 初期費用 83.4万円+月額 5.5万円を想定しています。 ただしこの価格はすべて仮説であり、確定したものではありません。 実証期間中にお支払い意思をうかがう調査を行い、そのうえで確定します。
会社概要
| 商号 | 合同会社 冪(ごうどうがいしゃ べき) |
|---|---|
| 設立 | 2026年6月4日 |
| 代表社員 | 細尾 皓平 |
| 所在地 | 京都市左京区黒谷町33番地1 |
| 資本金 | 100万円 |
| 事業内容 | 農地防衛RaaS(自動追い払い)/農地デジタルツインの開発・運用 |
お問い合わせ
実証へのご協力、導入のご相談、取材のお問い合わせを承っています。
京都市左京区黒谷町33番地1
とくに、実証にご協力いただける圃場を探しています。 自治体・農業協同組合・農業共済組合・猟友会・集落営農組織のみなさまからのご連絡をお待ちしています。 まずは9月の計測からご相談させてください。 費用のご負担を含め、進め方は個別にご相談のうえ決めさせていただきます。